月: 2014年10月

お母さんの学習履歴と子どもの学習

いろいろなご家庭にお伺いして子どもの学習を見ていると、どうしても普段の学習が気に掛かりま
 
す。そして、普段の子どもの学習スタイルは、お母さんが学習をどうとらえていらっしゃるか
 
に強く関わっていることに気付かされます。
 
「基本問題を3回はやらせているのに点数が上がりません」
 
「テストで間違った問題は、3回解かせるようにしています」
 
このような話を聞くと、なんだか不安を感じるのです。
 
もしかしたらお母さんは、何度も同じ問題を解かせることによって、理解が深まり応用力が身につい
 
ていくものだと信じていらっしゃるのではないかと心配になるのです。
 
中学生や高校生になると、新たに入ってきた知識や考え方は、過去に大脳に収納され
 
た知識や考え方に自然に結びつくことが多いのですが、9歳の壁をやっと過ぎた子どもたちの場合は
 
そうではありません。ばらばらに入ってきた知識は、頭の中でばらばらのまま放置されます。「こ
 
の数字とあの数字を引いてから、ここの数字で割る」というような表層の理解にとどまってしまうの
 
はそのためです。
 
基本問題を3回繰り返すうちに、「なぜかは分からないけれど」こうすれば正解が出せることだけ
 
を覚えます。ところがばらばらに収納された知識は、すぐに散逸してしまいます。
 
その週のチェックテストの時は覚えておくことが出来るのですが、一ヶ月後になると、その後に入っ
 
てきた知識と絡み合って何が何だか分からなくなってしまいます。
 
多くのお母さん方のご自身の学習で一番強く印象に残っているのはたぶん大学受験でしょう。大
 
脳が完成されたあとの学習です。英語を覚え、社会を覚え、古文を覚え・・・。
 
覚えることに集中することで大学受験を成功した方も多いのではないでしょうか。
 
ところが、私立中学上位校受験はそうではありません。大切なのは「納得感」です。最初に習ったと
 
きに、「なるほど!」とか、「あっ、そうか!」という快感がわき上がるような理解です。このとき
 
に、新たな知識は過去に収納された知識につながったのです。このような納得感を持って覚えたり理
 
解した事柄はなかなか忘れません。また、応用することも容易です。
 
「何度も何度も解かせているのに総合テストになったら間違ってしまう」場合、ここで一度、子ども
 
の学習の仕方を見直してあげてください。
 
「なぜそうなるの?」
 
「その式で何が出たの?」
 
と聞いていただくことで、子どもが分かっているかどうかが分かります。
 
間違った学習で子どもが疲れてしまうまでに、学習のやり方を出来るだけ早く変えてあげてくださ
 
い。

入試過去問題演習の肝

入試の過去問題の演習が多くの塾で始まりました。この過去問演習は去年までよりも早く始まりました。「11月からで十分です」と言っていた塾でもすでに始まっています。

志望校別日曜特訓で該当コースがある場合は、その授業で過去問題の抜粋を学習することになりますが、多くは自宅学習に任されています。該当コースが無い志望校である場合は、すべてが家庭学習でこなしていくことになります。

 

入試過去問演習の意味

入試過去問題を解く目的は下記の3つあります。

① 問題の傾向(問題レベル・量・問いの形式・その学校特有の言い回し)になれる。

② 時間配分を練習する。

③ 得点力をつける。

 

①②については、私のブログだけではなくいろいろなところに書かれていますから、今回は③についてお話ししていきます。

 

小6の2学期以降の学習においては、学力を高めることは当然必要なのですが、それ以上に得点力を高めていくことに力点を置いてほしいのです。学力が高まれば当然得点が高くなると思われがちなのですが、実はそうではないことが多いのです。

 

「学力はあるのに得点が稼げない」そういう子が多いのです。

 

・計算ミスをする

・題意の読み違いをする

・使う知識を取り違える

・問題の解きはじめを間違える

・解答の書き方を間違える

・普段だったら思い出せる知識が思い出せない

 

得点力が発揮できない理由は一杯あります。そして生徒一人一人大きく違います。一人一人に対して、正解にたどり着けない原因を1つずつ取り除いていってあげることが大切なのです。また、その作業はその子にとっては、「あっ、これがこのように出来るだけで合格点にこんなに近づくことができるんだ」という、成功の予感を高める効果もあります。

 

これまでも、塾の模試の直しをやってきたと思いますが、この過去問題の直しはより効果が大きいのです。ですから、やりっ放しは是非避けてくださいね。〇×をつけて得点を出しただけで終わり。これでは効果は見込めません。

 

では、どのようにしていくのかを私たちがやっていることを例にしながらお話ししていきます。それは、大雑把に言うと、×の中に潜む正解への糸口を見つけて、それを子どもに体感させることです。そういうときに私が子どもに発する台詞はこのようになります。

「お~い、ここまで考えられてるじゃないか、ここで〇〇をするだけで正解にたどり着けたじゃないか、もったいないと思わないか!」

 

「いい線いってたね。そこまで考えたんだったら書くのを面倒がらずにこれとこれをメモしていればその先に気付いたはずだよな。惜しい!」

このような、“褒めながら叱る”台詞です。

 

時には、

「おおっ、3ヶ月前まで覚えていた陽樹と陰樹の区別を忘れちゃったんだね。〇〇のテキストの〇ページを今から3分で覚え直そう。」と言うこともあります。

子どもに、惜しかった、悔しいをいう気持ちを起こさせるとともに、ほんのちょっと注意をしたり努力をするだけで得点を揚げることが出来そうだと感じさせることが大切だと思っています。

 

「40点じゃ合格点に全然届いてないじゃないの、どうするの!」という台詞は子どもに絶望感を与えるだけですからやめてください。実は、今40点でも、やりようによっては4ヶ月後には合格最低ラインの65点にまで上げることは可能ですし、そのような経験を毎年積み重ねています。入試直前まで、一段一段階段を上っていかせる感覚を大切にして、お子さんに接してください。

                             

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